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自転車かいぼー学 |
「ホイールのはなし」 |
スポーク切れはなぜ起こる?
ホイールが激しい衝撃を受けると、稀に「スポーク切れ」を起こすことが有る。路面からの衝撃は、タイヤ,リム,スポーク,ハブというように伝わっていくが、その衝撃があまりにも強い場合には力が逃げ場を失いもっとも弱い部分に集中してしまうことになる。こうして一番弱いスポークがとばっちりを受けることになる。そのスポークの中でもいちばん弱いところはハブのフランジと結合する部分「スポークの首」のとこで、スポーク切れのほとんどはここが折れるのだ。また稀にニップル側が折れる、あるいはニップルネジのすっぽ抜けがほとんどだ。そしてスポーク切れのおきやすいのは後輪のギア側だ。これは構造的にギア側のスポークのテンションが反対側に比べて弱い「おちょこ組」になっていることと、路面からの抵抗,ブレーキの抵抗に加え「トランクション」の伝達にも大きな役割を果たしているのだ。いわばギア側スポークはアキレス腱のようなもので一生懸命仕事をしているのだ。それにくらべると、前輪は左右同じテンションでスポークが張られているし路面からの抵抗と、ブレーキの抵抗のみのため振れも出にくいしスポーク切れの確立も低い。しかしある意味では2輪で行きたい方向をきめるという任務を背負っているのだから、仕事をさぼっているわけではないのではないのであーる。
バルブは3種類も有る!?
自転車に使われているバルブは3種類。「なんで統一されないのー」なんて声も聞こえてくるが、これにはちょっとしたわけが有る。まーわかりやすくひとことで言ってしまえば「適材適所」でそれぞれの特徴をいかした使いわけがなされているのだ。
[ウッズ(英式)バルブ]
お買い物自転車、通学用、子供用など一般車に使われているもっともお馴染みのバルブ。歴史的に見れば自転車用として一番初めにこの形式が定着したと考えられている。いわば「日本の自動車は何で左側通行なのか?」みたいなものなのだ。構造が簡単で虫ゴムと呼ばれるパッキンを交換するだけで故障知らずのバルブなのだ。ただし、MTBやロードなどスポーツ走行を目的とした自転車に余り使われないのは、空気圧の微調整が苦手なのと、構造上後から内圧を測定できないからだ。
[シュレーダー(米式)バルブ]
もともとは流入口の径が大きく大量の空気を入れるのに適しているため、自動車やオートバイには広く使われていた。自転車では空気量の多いMTBの普及とともに一気に定着した。プレシャーゲージも使えるし、微調整も簡単である。先に述べた通り、流入口の径が大きいため、ハイプレッシャーには適さない。これはスポーツバイクがあくまでハンドポンプ使用を前提としているためで、MTBやクロスバイクなど最大75psiぐらいまでのモデルに限られる。仮に700Cの100psiをこえるようなハイプレッシャータイプには採用したとしてもハンドポンプでは空気を入れられないハメになる?!。
[フレンチバルブ(仏式)]…「仏式」は口語体ではあまり使わない
おもにチューブラータイヤや細みの700C等ハイプレッシャータイプに使われているほか、外径がいちばん細いことから軽量の「ナローリム」採用のモデルの場合良く使われている。米式同様プレシャーゲージも使えるし、微調整も簡単である。
タイヤこぼれ話「パンクは不可抗力ばかりではない」 |
Copyright : Junichi Morita とプロジェクトK(イラスト:五十嵐 晃)