運動前と運動後で体重を測定すると…
「んKg減った!」と喜んでばかりいられません。これは、エネルギー消費(脂肪燃焼系?)によって体重が減ったのではなく、そのほとんどが体から出て行った大量の水分によるものです。このとき脱水症状に関して自覚症状がないだけで、実は体内では立派に(?)脱水しているのです。 |
■ ■ ■ ■ ■ |
|
脱水症状のレベル |
体重の減少 |
水分の排出量
(体重67.5Kg) |
影響・兆候 |
↓ |
初期 |
2% |
1.5リットル |
激しい運動が困難
体力の衰え |
↓ |
痙攣 |
4〜6% |
3〜4リットル |
筋肉の痙攣
疲労感
体力の衰え
判断力の低下 |
↓ |
極度の疲労 |
6〜8% |
4〜5.5リットル |
頭痛
めまい
吐き気
極度の疲労感 |
↓ |
発作 |
7〜8% |
5リットル超 |
高熱
錯覚
意識を失う |
|
「喉が渇いた」では遅い?!
喉が渇いた、水が欲しい…これは立派に「脱水症状」です。渇く前に飲むことを積極的に意図して行うことが補水の第一歩です。
|
出た分を補う
運動をすれば、汗が出ます。気温が高ければそれほどの運動量でなくても相当量の汗が出ます。発汗の詳しいメカニズムや日射病熱射病の記述は他に譲るとして、とにかく水分は体の外へどんどん出ていってしまうのです。どこかでこれを補うことをしなければ、体温調節もままならず、体はオーバーヒートしてしまいます。だからといって、ボトルの水をゴクゴク飲みほす様な「イッキ飲み」ではオーバーフロー、体内への吸収が全く間に合わず、そのままトイレの回数が増えるだけだったり、腹痛を引き起こしてしまいます。
もっと平均的に補水するためには…
|
常に補う
自転車用のボトルは歴史的に見ても早くから、自転車に取り付けることで持ち運びを容易にし、ワンタッチで飲めるよう工夫されてきました。これは、長距離長時間にわたるバイシクルライドにおいて常に水を補うため、ライダー達の長年の経験則からきていることに他なりません。ライダーは常に補水しているのです。
「常に補給すること」これは休憩のたびに少しずつ…ということになりますが、例えば15分毎に補水のため止まっていたのでは一向に前には進みません。そのためにハンズフリーで補水できることが一つの理想形となります。
もちろん、従来からのワンタッチボトルで常に補水は可能です。しかし、片手離しよりハンズフリーであることが安全かつ有利であることは、近年の変速システムを見るまでもなく「安全・確実」と考えるのは容易なことでしょう。
|
冷たい水を補う
例えば運動直後、アイシング(氷で筋肉を冷やす)が最近ではあたりまえとなっている。運動しているとき、ヒートアップしすぎた体(筋肉)は冷やすのがよい。外気温がよっぽど高いときでもない限り、体外から水で筋肉を冷やすのは結構さじ加減が難しい。冷たい水を少しずつ摂取する方が簡単である。ゆえに、冷たい氷水を常に用意できるとなお理想に。。。
|
具体的に「キャメルバック」を勧めてしまう理由(ワケ)…
- ハンズフリーで常に補水が容易にできる
- 水を背中に背負っていることで、体温上昇も防ぐことができる
- 大量の水をそれほど苦もなく運べる
- 保温性にも優れている(最下段参考データ参照)
- ペットボトルを大量に排出することもなくなる
- 擦過傷など、傷口についた砂、泥、小石などを洗い流すには大量の水が必要
HYDROBAK(1.5L) |
キャメルバック選択のポイント
- サイクリングなら1.5〜2リットルのモノがおすすめ
(HYDROBAK〜など)
- ちょっとした荷物が積めるタイプだと使い勝手は向上する
(LOBOなど)
- 荷物が増えた!…もし手持ちのザックの背面にポケットがついていてなおかつ、呑口の経路が確保できるなら、本体からタンク
-オメガリザーバーを取り出してセットすることが可能!! (*注)
|
従来からのボトルゲージ+ボトルも決して否定しません。こちらにはスポーツドリンクとかお茶とか好きなものを入れておけばリフレッシュメント効果や必要栄養素のサプリメント効果もバッチリクリア!
|
(*注)オメガリザーバーは単独使用でパンクしてしまうほどヤワなものではありません。ただし、冷たい氷水など入れる場合は結露が発生するため、バック内のポケットは荷室から完全に独立していることと、荷室とのクッションがあることが条件となります。以上を満たさない場合は「THE
UNBOTTLE SYSTEM」がオススメです。 |
|
|
■ |
気温の低い寒いときはどーなる?
確かに発汗量は減るかもしれません。しかし冬は「乾燥」という暑さとはまた別の避けられない気象条件がまっています。しかも登坂(ヒルクライム)の時には、シャツ一枚でも平気なくらい、体はヒートアップしているのです。また、応急手当などの救急の観点からも、冬でも水は必携なのです。
|
■ |
実践!サイクリング使いこなしノウハウ 〜これぞ経験則!どこにも書いてないよ〜 |
1: |
積極補水唯一のコツ |
|
ウォーミングアップ前から積極的に補水すると、体が効率よくアップしない。ということで、運動(サイクリング)はじめ20〜30分は、積極補水しないようにした方がよい。ウオーミングアップが終わったら15〜20分のインターバルで一口ずつ飲んでいく。 |
2: |
サイクリング中に適した使いこなし |
|
スタート時は1リットルくらいの軽量スタート。ウオームアップ終了後、摂取開始。1時間〜2時間後「ロックアイス」をコンビニで調達、タンク内に目一杯入るだけ投入。この後も、水を追加しないでロックアイス投入を繰り返す。 |
3: |
水のゆれる音がうるさい!! |
|
空気抜きをしなくてもビッグバイトバルブ(呑口)からはちゃんと水が出てくるが、実はチャプチャプタンクの中の音が結構気になるし、サイクリングの場合、重心移動の影響も少なくない。これを改善するには、バック全体を逆さにして、水が出てくるまで内部の空気を吸いだす。水が出てきたら空気抜きおしまい。これだけ!ビッグバイトバルブはワンウェイなのでかなり簡単。要するにご家庭用水枕と同じ空気ぬき!! |
|
■ |
いかがだったでしょうか?
「深夜のテレホンショッピングのようだ…」と思われるくらい、積極補水に関してべた褒めなんですが、筆者個人としては「サイクリングのとき救急の観点から摂取量+アルファの水の携行」を強くお勧めし、なおかつ効果的な補水方法が読んでいただいた方に伝わればと願っております。 |
Junichi Morita (JINGANE) |
|
【巻末参考データ】
その1:運動前〜運動後の実録データ
テストコース概要:
走行距離110Km、ピーク標高差約500m
のぼり勾配区間約1割5分、残りはくだり勾配もしくは平坦コースを約8時間で走行後、再測定。
スタート前 |
:体重64.0kg/体脂肪率17.1パーセント |
ゴール後 |
:体重63.8kg/体脂肪率15.8パーセント |
。。。うーむ、減量?以上になんかウレシイ数値。(摂取量は約2リットル+アルファ)
その2:THE UNBOTTLE SYSTEMをザックに取り付ける |
|
ザック(アタックザック/容量20L)のサイドストラップにアンボトルを取り付けてみた。
アンボトルのD環の間隔と、ザックのストラップの間隔が若干違います。そこで、下部D環を、100円ショップ御用達クライミング使用禁止のアクセサリーカラビナで緩やか固定。上部D環でしっかり固定されているので不安定になる事もまったく無い。チューブはキャメルクリップ2個使用し固定する。。。出来上がり!!
その3:キャメルバックの保温性
外気温摂氏21度〜23度のとき、ロックアイスを満たした後、水を注いだ。
実験スタート11:30〜。15:00を過ぎても中の氷は残っており、冷たい水を供給しつづけた。
(テスト:THE UNBOTTLE SYSTEM2L) |
|